目的:日本緊急度判定支援システム(Japan Triage and Acuity Scale;JTAS)で, ①トリアージ看護師が判定したJTASレベルと医師による診療後転帰との一致,②「アンダートリアージ」の影響要因を明らかにする。方法:2013年1 〜12月(毎月1 〜5日の5日間)に,救急車以外の時間外受診患者1,629名を対象とした。救急経験平均年数7.5年の看護師が判定したJTASレベルや診療後転帰を後ろ向きに調査した。「4:低緊急」,「5:非緊急」で入院となった患者41名を「アンダートリアージ群」,帰宅患者595名中42名を「コントロール群」とし,多重ロジスティック回帰分析で要因を解析した。結果:JTAS レベルと転帰で正の相関(rs=0.312,p<0.001)を認め,「アンダートリアージ」率は2.5%,影響要因として「収縮期血圧」「循環器病薬」ほか,「深在性疼痛」は8.8倍の独立因子であった。結論:トリアージ看護師によるJTASレベルは診療後の転帰と相関するが,「深在性疼痛」など「アンダートリアージ」要因を考慮する。
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