救急領域の医師・看護師は心的外傷的出来事を経験していると報告されている。診療放射線技師においても救急撮影に従事する者は同様に心的外傷的出来事を経験していると推察されるが,その実態について報告は見受けられない。目的:救命救急センターを擁する当院に勤務する診療放射線技師における心的外傷的出来事の実態を明らかにすることを目的とした。 方法:当院の倫理委員会承認を得たうえで,同意の得られた当院の診療放射線技師を対象に救急領域の医師・看護師の先行研究で用いられていた調査項目を用いて無記名アンケートを実施した。結果:救急撮影に従事する診療放射線技師の心的外傷的出来事の経験率は88.2%であった。考察:心的外傷的出来事の経験率は医師,看護師と同様に高い傾向にあった。惨事ストレスにさらされている可能性があり,診療放射線技師に対する惨事ストレスの評価と対策を行う必要があると考えられた。