日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
熊本大学医学部における災害医学教育の実態と今後の課題
笠岡 俊志内藤 久貴
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2021 年 24 巻 4 号 p. 530-534

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抄録

すべての医師には災害医療に関する基本的な知識が求められ,医学教育モデル・コア・カリキュラムでも災害医療に関する学修目標が定められている。熊本大学医学部医学科では4年生の救急医学講義の中で1コマ(90分)の災害医学講義を行っているが,カリキュラムの見直しを行い,平成29年度から熊本大学病院における多数傷病者受け入れの災害医療訓練に模擬患者役として参加させることとした。平成30年度は模擬患者役のみならず,災害対策本部やトリアージエリアなどに学生を配置して患者搬送などを経験させた。令和元年度は訓練に参加した学生を対象に事後アンケートを行い,訓練参加の効果について検証した。さらに, 4年生の11月から始まる臨床実習の救急部実習において災害時のトリアージ演習を取り入れ実践的な教育を開始した。災害医学に関する教育では,座学のみならず実習や実践的な訓練への参加によって教育効果はさらに高まると考えられた。

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