2021 年 24 巻 4 号 p. 520-529
ECMO治療目的で転院搬送要請があった58例を検討した。40例でECMO搬送チームが出動しprimary transportが18例,conventional transportが17例,不搬送が2例,secondary transportが3例であった。Primary transportの年齢は53歳(平均値),現場活動時間154分(平均値),搬送時間41分(中央値),搬送距離は21km(中央値)であった。ECMO離脱率,救命率はprimary transportは83%,72%,conventional transport後にECMOを導入した症例は94%,82%,secondary transportで100%,33%であった。全38例にECMOが導入され,全体での離脱率は89%,救命率は76%であった。どのような搬送形態でも致死的な合併症をきたすことなく安全に搬送可能であり,現場での評価,判断は妥当であると示唆された。