2021 年 24 巻 4 号 p. 535-540
埼玉県メディカルコントロール協議会(以下,県MC協議会と略す)は,平成29年4月1日から指導救命士制度を導入し認定を開始した。導入にあたり指導救命士による教育指導体制の構築にはどのような活動を行い,役割を担っていくべきかが検討課題となった。そのため「教育」,「事後検証」,「学術活動」の指導体制の現状と,指導救命士による今後の活動予定について県内27消防本部に対してアンケート調査を実施した。アンケート結果では県内で統一した救急隊員の教育指導にかかわるガイドライン作成の要望が寄せられた。県MC協議会は新たに指導救命士部会を設置し,プロトコール研修会と事後検証を実施するための県内で統一したガイドラインを作成し各地域メディカルコントロール協議会(以下,地域MC協議会と略す)へ通知した。作成にかかわった指導救命士部会のメンバーとして,埼玉県の指導救命士による教育指導体制の構築へ向けた取り組みと今後の展望を報告する。