2021 年 24 巻 4 号 p. 578-582
背景:新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019,以下COVID-19)拡大による全国的な救急出動件数の変化は,明らかでない。目的:COVID-19流行が,救急需要に与えた影響とその要因を調査する。方法:政令指定都市を管轄する全国20の消防機関に救急出動件数を調査した。結果:12消防機関(回答率60%)から回答があった。過去3年間に対して2020年の各月出動件数は,4月に−15.7%と減少幅は最大となった。各事故種別減少数は,急病,交通事故,一般負傷,運動競技事故で減少し,減少数の約50%は急病が占めていた。 各事故種別の減少率は,運動競技事故が93%と最大であった。考察:救急出動件数は,全国的に初の大きな減少幅と推定される。国民が,集団感染の報告されたスポーツジムの利用を避け,スポーツ活動を控えたことで大きく減少したと考えられる。結語:救急出動件数は,急病,交通事故,一般負傷,運動競技事故で大幅に減少していた。COVID-19は,救急出動に多大な影響を与えていた。