日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
ダメージコントロール手術と経皮的動脈塞栓術によって脾臓を温存できた多発外傷小児の1例
中山 文彦柴田 あみ齋藤 研石木 義人福田 令雄北橋 章子工藤 小織久野 将宗畝本 恭子
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キーワード: 小児外傷, 脾損傷, 脾温存
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2021 年 24 巻 4 号 p. 598-604

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抄録

症例は7歳,女児。 30mの高所より墜落し受傷した。当施設来院時ショック状態,腹腔内出血が原因と判断し初療室にて緊急開腹した。脾損傷に対し縫合止血術を施行したが完全止血に至らずパッキング・仮閉腹状態で終了,続いてゼラチンスポンジによる脾動脈本幹塞栓術を行いショックから離脱した。その後,開頭手術および定型的閉腹術を行い,小児集中治療および整形外科的治療を経て,リハビリテーション目的で転院となった。腹腔内出血による出血性ショックに対しては緊急開腹,ダメージコントロール手術が必要となる。出血の原因が脾損傷である場合,脾摘されることも多いが若年者では脾摘出後重症感染症が懸念される。今回,脾縫合およびパッキングによるダメージコントロール手術に経カテーテル動脈塞栓術を追加し救命,脾機能も温存できた小児外傷症例を経験したので報告する。

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