日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
原著
二次救急外来を受診した腹痛患者のJapan Triage and Acuity Scaleレベルに関連する要因
遠藤 覚子浦中 桂一
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 24 巻 5 号 p. 621-626

詳細
抄録

目的:二次救急外来を受診した腹痛患者のJapan Triage and Acuity Scale(以下JTASと略す)レベルに関連する要因を明らかにする。方法:診療録による二次分析研究。対象:2017年4月〜2018年3月にA病院の二次救急外来を受診した15歳以上の腹痛患者633名。調査項目は「JTASレベル」「年齢」「性別」「既往歴」「手術歴」「来院元」「腹痛の部位」「腹痛の強さ」「間欠痛」「疼痛の質」「外観的特徴」。JTASレベル(高値群・低値群)を従属変数,その他の調査項目を独立変数とし二項ロジスティック回帰分析を行った。結果:「腹痛の強さ」(オッズ比31.46,95%信頼区間11.76-84.18),「外観的特徴」(オッズ比35.27,95%信頼区間7.67-162.32)とJTAS レベルとの間に有意な関連を認めた。結論:「疼痛の強さ」や「外観的特徴」はトリアージを通して,入院や検査などの準備を先回りしたケアにつなげることを可能にする観察項目となることが示唆された。

著者関連情報
© 2021 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top