日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
非手術的集中治療が奏効した超高齢者穿孔性腹膜炎の1例
大塚 恭寛宇野 秀彦
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2021 年 24 巻 5 号 p. 747-752

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抄録

症例はインフルエンザ罹患を機に非ステロイド性抗炎症薬を連用していた96歳女性で,深夜に出現した腹痛を主訴に当科へ救急搬送された。急性呼吸循環不全の状態にあり,腹部CTにて穿孔性腹膜炎と診断したが,術前耐術能評価で高リスクと判定した。穿孔部位として胃がもっとも疑われ,腹膜炎が上腹部に限局していたことなどから,保存的治療を選択した。緊急入院後,直ちに腹腔穿刺ドレナージを施行したところ,淡黄色の混濁腹水2,000mLが吸引された。引き続き機械的人工呼吸管理,ドパミン投与,抗菌薬投与,プロトンポンプ阻害薬投与,経鼻胃管による胃内減圧,中心静脈栄養管理を含む非手術的集中治療を施行した。 急性腎障害,うっ血性心不全,播種性血管内凝固症候群を併発したが,各病態に対する薬物治療が奏効し,第13病日に集中治療室を退室した。歩行リハビリテーションに長期間を要したが,第58病日に入院前と同等の日常生活動作レベルで退院した。緊急手術を選択し難い超高齢者に発症した消化性潰瘍穿孔に対する初期治療戦略として,非手術的集中治療が選択肢となり得ると思われた。

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