2022 年 25 巻 1 号 p. 41-45
わが国においてショック充電中に胸骨圧迫を実施すると充電がキャンセルされるAEDが存在するといわれているが,その実状は不明である。また,無脈性心室頻拍の際にAEDが除細動の適応なしと誤判定した症例も報告されているが,AEDのショック適応基準などのプログラムも不明である。今回,それらを明らかにするためにアンケート調査を行った。 結果:AED製造/ 販売メーカー8社から,AED,半自動式除細動器,AEDモード付きマニュアル除細動器合計44機種の回答を得た。そのうち,ショック充電中に胸骨圧迫により充電がキャンセルされる機種が30機種,充電中も胸骨圧迫が可能な機種は14機種であった。また,無脈性心室頻拍の鑑別は各AED製造企業が独自のプログラムを組んでいることが判明した。 今後,さらなるAEDの機種の改善・開発や適切なAED使用方法の周知や対応により,救命率の向上につながることに期待する。