日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
胸骨圧迫による肝損傷に対しREBOAが有効であった1例
蜂谷 聡明寺島 良向坂 文冶古賀 貴博田中 良男南 啓介髙松 優香太田 圭亮明星 康裕
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2022 年 25 巻 1 号 p. 94-97

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抄録

58歳,男性。卒倒し目撃者により胸骨圧迫を施行された。救急隊接触時,心室細動を認め,心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation;CPR)を継続し卒倒から23分後に当院に搬送された。当院到着時,自己心拍再開していた。緊急冠動脈造影を施行し,冠攣縮性狭心症による心停止と診断した。ICU入室から約2時間後にショックとなった。腹部超音波検査にて腹腔内にecho free spaceを認めたため,胸骨圧迫による腹腔内臓器損傷,出血性ショックと判断した。輸液,輸血で血行動態安定せず,大動脈内バルーン遮断(resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta;REBOA)を施行し血行動態安定した。CTで肝損傷,同部位からの造影剤血管外漏出像を認めたため,経カテーテル動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization;TAE)を施行した。以後,血行動態改善し第14病日にICU退室し,第47病日に独歩退院した。胸骨圧迫の合併症による肝損傷に対してもREBOAが有効であった。

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© 2022 日本臨床救急医学会
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