2022 年 25 巻 3 号 p. 546-553
目的:脳卒中ケアに関連する病棟以外で勤務する看護師を対象にFAST,院内脳卒中緊急連絡体制の理解の程度を明らかにする。また病棟,看護師経験年数別にこれらの程度を明らかにする。方法:1,026人に選択式でFASTや院内コール番号の正答,院内コールを躊躇した理由を問うWeb調査を実施した。結果:698人(68.0%)から回答があった。FASTをすべて正答した人は285人/396人(FASTを聞いたことがある人)(72.0%),正しい院内コール番号を選択した人は562人/698人(すべての回答者)(80.5%)で,院内コールを躊躇したもっとも多い理由は「脳卒中専門医師に直接連絡してよいかわからなかった」であった。 FASTの症状をすべて正答した人は外来がもっとも多く(87.8%),経験年数が高いほどその割合は高かったが,経験年数11年目以上であっても52.1%しかなかった。結語:経験年数にかかわらずFASTや院内コール番号を理解する機会を強化すること,院内コールのオーバートリアージの許容を強調しコールしやすい環境を整えることが必要である。