日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
持続胸腔ドレナージ中の排液が診断に結びついた横隔膜損傷の2例
村松 俊蕪木 友則原田 尚重原 俊輔三浪 陽介石丸 忠賢
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2022 年 25 巻 3 号 p. 611-614

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抄録

ヘルニアを伴わない横隔膜損傷の診断は難しく,胸腔ドレーンでヘルニアを伴わない横隔膜損傷を診断した報告は少ない。胸腔ドレーンが診断の一助となった横隔膜損傷を2例経験したので報告する。症例1は60歳男性,高所墜落で受傷。CTで両側多発肋骨骨折・左外傷性血気胸を認め,左胸腔ドレナージ施行。受傷4日目に,胸腔ドレーンから汚染された排液あり,横隔膜を観察すると左横隔膜損傷を認めた。症例2は79歳女性,交通外傷にて受傷。 CTで左多発肋骨骨折,左外傷性血気胸,骨盤骨折,腹腔内にfree airを認めた。骨盤骨折にはIVRを施行した。左胸腔ドレーンを挿入し,腸管損傷疑いに対して手術を行った。腹腔内洗浄中に胸腔ドレーンからの排液の増加を麻酔科医が指摘。横隔膜を観察すると5cmの左横隔膜損傷を認めた。横隔膜損傷を否定できない多発外傷の場合は胸腔ドレーンからの排液量と性状を注意して観察することで横隔膜損傷を診断する一助となることが示唆された。

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