日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例報告
アセトアミノフェン中毒において薬物血中濃度の自施設測定が有用であった2症例
稲村 広敏葛西 毅彦喜屋武 玲子伊部 裕太井上 弘行上村 修二藤居 賢成松 英智福土 将秀
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 25 巻 4 号 p. 722-726

詳細
抄録

アセトアミノフェン(N-acetyl-p-aminophenol,以下APAP)中毒に対するN-アセチルシステイン(N-acetylcysteine,以下NAC)の投与方針は,APAP 血中濃度を判断材料とすべきであるが,APAP血中濃度を自施設で測定可能な三次救急医療機関は限られている。当院は2018年に,APAPの自施設での血中濃度測定を導入し,測定結果が適切な治療方針の決定に寄与した中毒症例を2例経験した。搬入時APAP中毒を想定していなかった症例では,肝機能障害の発現からAPAP中毒を疑い薬物血中濃度を測定,即日診断に至りNAC投与開始し,血漿交換によって改善した。また,APAP血中濃度が高値で推移した症例は,薬物血中濃度がNAC投与継続の判断根拠となり肝機能障害は発現しなかった。以上,APAP中毒患者における薬物血中濃度の自施設測定は,NAC投与方針を決定するうえで有用と考えられる。

著者関連情報
© 2022 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top