日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
末梢挿入式中心静脈カテーテルの留置手技中に結び目を形成した1例
川口 竜助宮口 恵美濱田 隼一後藤 安宣
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2022 年 25 巻 6 号 p. 942-945

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抄録

末梢挿入式中心静脈カテーテル留置手技中,カテーテルに結び目が形成されることがまれにあるが,そのメカニズムは明らかではない。今回,結び目形成の前段階でカテーテルがループ形成している状態をX線画像で記録したので報告する。患者は70歳代,男性。BMI 15.8。食道癌に対する化学療法を目的に入院し,特定ケア看護師が右上腕尺側皮静脈より末梢挿入式中心静脈カテーテルの留置を非透視下で行った。穿刺からイントロデューサシース抜去までとくに異常はなく,X線撮影を実施したところ,右胸鎖関節部を先頭に8の字状にカテーテルがループを描いていた。抜去しようとカテーテルを牽引すると,先端から5cm のところに結び目が形成されていた。ループ形成したカテーテルを非透視下で牽引することは結び目の形成につながる可能性があり,ループ形成を確認した時点で透視下での解除を試みる必要がある。

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