日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
VV-ECMOを要した高度気道狭窄に迅速細胞診(rapid on-site cytologic evaluation;ROSE)での早期診断が有用であった小細胞肺癌の1例
奥沢 悦子吉村 有矢今 明秀森 仁志山端 裕貴近藤 英史今野 慎吾野田頭 達也
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2024 年 27 巻 1 号 p. 48-53

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抄録

小細胞肺癌は主に肺門部に発生し,重度の気道狭窄に至ることがある。今回,重度呼吸不全でVV-ECMOを導入し,直ちに迅速細胞診(rapid on-site cytologic evaluation,以下ROSE)を行い,小細胞肺癌の早期診断および放射線治療が実施できた症例を経験したので報告する。症例は47歳,女性。主訴は高度気道狭窄による呼吸困難であった。ICU入室3時間後に静脈脱血- 静脈送血体外式膜型人工肺(veno-venous extracorporeal membrane oxygenation,以下VV-ECMO)を導入し,入室4時間後にCTで気管を圧排する縦隔腫瘍が指摘された。入室8時間後,気管支内視鏡検査を行い,ROSEで小細胞肺癌が強く疑われた。入室36時間後に緊急放射線照射を開始し得た。計13回の照射で腫瘍は縮小し,第15病日にVV-ECMOを離脱して第86病日に自宅退院した。結果報告まで比較的時間を要していた従来の細胞診検査であっても,緊急度の高い検査では,優先的なROSEの実施が重要である。気道狭窄の原因たる腫瘍性病変の検索・治療方針決定においてROSEの実施は有用である。

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