2024 年 27 巻 4 号 p. 499-503
背景:愛知県MC体制では緊急性の高い重症傷病者の搬送医療機関と指示医師を早期確保するため,通信指令職員が事前管制を行っている。早期の傷病者搬送につながる事前管制は,病院側も早急に心肺停止(CPA)や急性冠症候群(ACS)など緊急性の高い傷病者の受け入れ準備ができる利点がある。目的・方法:令和3(2021)年4月1日〜9月30日に春日井市消防本部より当院に救急搬送されたCPAとACS症例における事前管制の状況を後方視的に調査した。結果:トリアージプロトコールを用いたCPA疑い事案68例中実際CPAであった症例は68例(100%)で,全CPA症例の98.6%。ACS疑い事案54例中実際ACSであった症例は13例(24.1%)で,全ACS症例の33.3%。反応・呼吸がない状況から全例がCPA疑いで事前管制されたが,胸痛の訴えからACS疑いで事前管制されたのは25.1%であった。考察:CPAはトリアージプロトコールが有効で的中率が高く,ACSは多様な胸部症状からの判断が困難なため的中率が低くなったと考えられた。