2024 年 27 巻 5 号 p. 682-686
牛外傷による顔面外傷で緊急気管挿管を必要とした2症例を経験した。症例1:77歳,男性。牛に顔面を突かれ来院した。両側眼瞼の腫脹が強く,咬合障害,開口障害を認めた。CT検査で上顎骨骨折,下顎骨骨折を認めた。発語可能であり入院としたが,夜間に気道緊急に陥った。経口気管挿管困難であり,輪状甲状靱帯から穿刺法により気道確保を行った。 第2病日に再度McGRATH TM を用いて気管挿管された。第7病日に気管切開術を施行し,第14病日にICUを退室した。症例2:80歳,女性。牛に顔面を突かれ来院した。発語は可能であったが,口腔内出血が持続していた。CT検査で下顎骨骨折,鼻骨骨折,左顔面動脈損傷,咽頭血腫による中咽頭圧排を認めた。C-MAC ® とGum Elastic Bougieを用いて気管挿管を行った。第8病日に気管切開術を施行し,第15病日にICUを退室した。牛の頭部による顔面外傷はpanfacial fracturesとなる可能性があり,difficult airway management(DAM)が必要である。