日本臨床救急医学会雑誌
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原著
A大学の成人看護学実習におけるハイブリッド遠隔実習に影響を与える要因の分析
野口 訓彦相場 繁樅山 定美
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2024 年 27 巻 6 号 p. 705-715

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抄録

目的:学生が能動的に学習できるようなハイブリッド遠隔実習を構築するため,ハイブリッド遠隔実習による学生の経験や,感じたことなどから,学習効果に影響を与える要因を明らかにすることを目的とした。方法:A大学でハイブリッド遠隔実習を経験した群をケース群,経験していない群をコントロール群とし,Googleフォームを用いてアンケート調査を施行した。結果:実習のアセスメントの理解度や経験できたことを因子分析した結果,術後看護関連,検査と患者評価,患者の全体像把握の3つの因子が抽出された。抽出された因子を説明変数,実習目標を目的変数として重回帰分析を施行した結果,実習目標すべてにおいて,患者の全体像把握で正の関連が示唆された。結論:患者の全体像把握に位置づけた電子カルテや血液検査データの充実を図ることで,学生が学習効果を実感しやすく,学習効果の高いハイブリッド遠隔実習を構築する要因となることが示唆された。

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