日本臨床救急医学会雑誌
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原著
福島県消防学校における急性中毒疾患教育の効果
―講義前後での変化―
小野寺 誠山﨑 武瑠阪内 麻里子関根 萌反町 光太朗鈴木 剛塚田 泰彦伊関 憲越尾 吉美佐藤 圭
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2024 年 27 巻 6 号 p. 716-722

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抄録

目的:急性中毒疾患に対する福島県消防学校学生の意識の変化を講義前後で比較すること。方法:対象は「病態別応急処置:急性中毒」を受講しアンケート調査に回答した95名。5段階で回答を求め,結果をmean±SDで比較検討した。結果:急性中毒疾患への興味は講義前(2.07±0.89),講義後(1.53±0.66)と有意に上昇し,急性中毒疾患に対する不安は講義前(4.52±0.95),講義後(3.18±0.90)と有意に改善した。同様に急性中毒の処置に対する不安について講義前(4.51±0.85),講義後(3.16±0.90),医療機関への連絡の不安について講義前(4.20±1.04),講義後(2.85±1.06)と有意に改善を認めた(いずれもp<0.001)。さらに急性中毒疾患とのかかわりについても講義前後で有意差を認めた。結論:消防学校における急性中毒疾患講義は,講義前の不安を有意に軽減した。

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