2024 年 27 巻 6 号 p. 772-776
70歳代,男性。起床時からの顔面の腫脹,呼吸困難を主訴に搬送された。来院時,全身の腫脹,握雪感を認め,皮下気腫と診断した。顔面,頸部の腫脹が高度であり気道緊急と思われたため,直ちに気管挿管を行った。喉頭展開時,喉頭蓋が著明に腫大していた。胸部単純X 線,CTにて全身の重度皮下気腫,右気胸,右多発肋骨骨折を認め,鈍的胸部外傷に伴う外傷性皮下気腫と思われた。右気胸に対して胸腔ドレーンを挿入した。皮下気腫,気胸ともに追加の治療を行うことなく軽快し,第6病日に胸腔ドレーンを抜去し,第7病日に人工呼吸器を離脱した。第56病日にリハビリ目的に転院した。外傷性皮下気腫はまれに重症化し,気道閉塞などの致死的な病態を引き起こす可能性があり,その治療法に精通しておく必要があると思われた。