日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
原著
重症救急患者におけるバンコマイシンとピペラシリン・タゾバクタムの併用療法とテイコプラニンとピペラシリン・タゾバクタムの併用療法との急性腎障害発生に関する比較検討
萬井 美咲川口 博資山下 佑麻櫻井 紀宏溝端 康光中村 安孝
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 28 巻 3 号 p. 478-485

詳細
抄録

目的:バンコマイシン(以下,VCM)とピペラシリン・タゾバクタム(以下,PIPC/TAZ)の併用(以下,VPT)は急性腎障害(以下,AKI)発生率を高めるとの報告がある。重症救急患者においてテイコプラニン(以下,TEIC)とPIPC/TAZの併用(以下,TPT)とのAKI発生率を比較した報告はわれわれが知るかぎり報告されていない。そこで今回,VPTまたはTPTを行った重症救急患者についてAKI発生率を明らかにするために調査した。方法:2012年4月から2024年12月に大阪公立大学医学部附属病院救命救急センターでVPTまたはTPTを行った患者を対象とした。患者背景,AKI発生率,抗菌薬投与量,腎障害に影響する併用薬,併存疾患について比較検討した。結果:対象患者はVPT群25例,TPT群22例であった。腎障害に影響する併用薬,併存疾患は両群間に有意差はなかった。AKI発生率はVPT群36.0%,TPT群9.1%でありTPT群で有意に低かった(p=0.041)。考察:重症救急患者において,TPTを選択することがAKI発生を避けるための有効な選択肢の一つとなる可能性が示唆された。

著者関連情報
© 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top