2025 年 28 巻 3 号 p. 578-582
96歳男性,意識障害を主訴に救急搬送された。初療時,GCS E4V2M4,体温37.6℃,血圧134/82mmHg,呼吸数17/分,尿道口のカテーテル周囲から尿が漏出する所見を認めた。尿検査で尿pH 9.0,尿沈査からリン酸アンモニウムマグネシウム結晶の検出,尿の塗抹所見でCorynebacterium様のグラム陽性桿菌の貪食像を認め,血中アンモニア濃度は314μg/dLであった。これらの所見からCorynebacterium urealyticumによる尿路感染症を考慮し,第1病日よりテイコプラニンによる治療を開始したところ,尿路の閉塞起点の解除前より,血中アンモニア濃度の低下,意識レベルの改善を認めた。後日,尿培養よりCorynebacterium urealyticumが同定された。意識障害を伴う尿路感染症では,アルカリ尿などの所見からCorynebacterium urealyticumによる高アンモニア血症の可能性を想定し,有効な抗菌薬を速やかに投与することが意識障害の改善につながる可能性が示唆された。