バッグバルブマスクの保持法であるEC法は,手の小さい,握力が弱い救助者では換気量を確保することが難しい。本研究では医療用両面粘着テープを使用して粘着性能を有するマスク(以下,Sマスク)を作製し,通常のマスク(以下,Nマスク)と換気量や送気量を比較した。40名の学生被験者を対象とし,各マスクにおいて心肺蘇生訓練用マネキンへの換気量と送気量を50回測定した。また,被験者の性別と手の大きさ,握力を記録し,測定後にアンケート調査を実施した。換気量はSマスクで391±222mL,Nマスクで323±218mLと有意な増加が認められ(p<0.01),Sマスクの送気量には手幅(ρ=0.35,p<0.05)と握力(r=0.41,p<0.01)に相関関係が認められた。アンケートでは被験者の70%以上がSマスクは優れていると回答した。粘着性能を有するバッグバルブマスクの有用性が示唆された。