目的:救急隊に対する加害行為の詳細な発生状況を把握する。方法:2018年から5年間に東京消防庁の救急隊が加害・妨害行為として活動記録に登録した事案の,行為者種別,行為者性別・年齢層,行為者の飲酒の有無,関連が疑われる状況,行為者の行為直前の言動,行為内容,行為前PA連携(救急現場にポンプ隊も出場すること)の有無などを集計した。結果:122件の加害行為が認められた。行為者は男性が多く,飲酒を伴っていることが多かった。関連が疑われる状況として傷病者の観察・搬送拒否が認められ,加害行為直前の言動として暴言や質問に答えないことがあった。行為内容は暴言,素手で殴打,立入拒否・立ち塞がり・引き留めの順に多く,救急隊が単隊で活動中に多く発生していた。結論:被害を防止・軽減するためには,警戒を高めるべき状況があれば医師引き継ぎまで常に複数の職員で対応し,直接加害を受けない距離を保つなどの対応をとるべきであると考えられた。