日本臨床救急医学会雑誌
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原著
高齢者の胸骨圧迫の有効性に影響する身体的要因の検討
片山 直広関根 和弘
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2025 年 28 巻 5 号 p. 735-742

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抄録

日本における高齢者人口の割合は今後も上昇が見込まれており,家庭内で心肺停止が発生した際,高齢者がバイスタンダーとして心肺蘇生を行う機会が増加すると考えられる。しかし,高齢者に限定した胸骨圧迫の質に関する国内の医療系論文は確認されていない。そこで,高齢者による胸骨圧迫の深さと身体的特性との関連を明らかにすることを目的に,滋賀県野洲市の高齢者体力測定会に参加した65歳以上の市民156名を対象に横断的研究を行った。胸骨圧迫の深さ平均が5cm以上の群を有効群と定義し,測定した複数の身体的指標の中から,体重および握力との関連を中心に分析を行った。その結果,握力は有効群への分類に有意な関連を示し,カットオフ値は23.1kgであった。体重についても有効群で有意に高く,深さの確保に寄与する可能性が示唆された。握力および体重は胸骨圧迫の質に関与する指標となり得ることから,高齢者の救命処置においては,これら身体的特性を考慮した教育と支援が重要である。

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