2025 年 28 巻 5 号 p. 743-751
目的:救急搬送における選定療養費徴収の実態および徴収対象症例の臨床的特徴を明らかにする。方法:単施設後方視的記述研究。2024年12月2日~2025年3月31日に救急搬送された全患者を対象とし,徴収の有無に基づき患者背景を比較した。さらに,徴収対象患者の臨床的特徴を記述分析した。結果:2,182件の救急搬送のうち,1,251件(57.3%)が帰宅し,28件(1.3%)で選定療養費が徴収された。徴収群は非徴収群より年齢が低く(中央値53歳 vs. 75歳),救急科専門医が担当する割合が高かった(78.6% vs. 42.4%)。徴収群の主訴は消化器症状が7例(25.0%)と最多で,歩行可能は25例(89.3%),バイタルサイン異常は6例(21.4%)だった。結論:救急搬送における選定療養費が徴収されたのは1.3%だった。徴収対象患者の特徴は多様であり,標準化が課題に残る。