日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
症例・事例報告
SGLT2阻害薬配合剤内服患者に発症した正常血糖ケトアシドーシスおよび副腎クリーゼにおけるICU専任薬剤師の関与から,救急外来への薬剤師配置を考慮する1症例
島﨑 洋平矢島 雄介柳澤 慎之介眞壁 秀樹
著者情報
ジャーナル フリー

2026 年 29 巻 1 号 p. 75-79

詳細
抄録

60代女性,数日前からの嘔吐・下痢・食欲不振・発熱に続いて意識障害を呈し救急搬送。胃腸炎に伴う敗血症性ショックおよび代謝性アシドーシスとしてICU管理となった。ICU専任薬剤師が持参薬を確認したところSGLT2阻害薬配合剤(イプラグリフロジン・シタグリプチン)の内服が判明し,正常血糖ケトアシドーシス(euDKA)の可能性を指摘してケトン測定を提案した。高ケトン血症が確認されたため,インスリン投与と糖補充,輸液・電解質補正によりアシドーシスは改善した。さらに昇圧薬使用下でも低血圧が持続したため,薬剤師が副腎不全を疑い,追加検査を提案した。ACTH低値・コルチゾール低値が明らかとなり,ヒドロコルチゾンおよびバソプレシン投与後に循環動態は安定した。救急外来における薬剤師の配置率はまだ低いが,24時間の配置により,医師への正確な情報提供と副作用の早期拾い上げ,適切な薬物治療選択に寄与し得る。

著者関連情報
© 日本臨床救急医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top