日本臨床救急医学会雑誌
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症例報告
血中濃度測定および解析が有用であった急性テオフィリン中毒の1例
─Bayesian法の急性薬物中毒への応用─
山野上 敬夫岡林 清司池田 博昭岩崎 泰昌北浦 照明畝井 浩子井上 健和田 誠之木平 健治大谷 美奈子
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2000 年 3 巻 4 号 p. 438-441

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抄録

急性テオフィリン中毒(徐放製剤ユニフィルTM錠400mg6錠,計2.4g相当を内服)の1症例において,血中濃度を測定した。初診時(内服後2時間)の意識レベルは軽度の見当識障害を認めるのみで,血中テオフィリン濃度は10.9μg/mlと治療域血中濃度(10-20μg/ml)の範囲内であった。しかし,Bayesian法を用いて血中濃度解析を行ったところ,内服後12時間をピークに,血中濃度は中毒域である32μg/mlまで上昇し,治療域上限まで低下するには28時間以上を要するとの理論値を得た。これに基づいて,血中濃度が治療域に低下するまでを,痙攣や不整脈などの循環器症状に対応しやすい鎮静下の人工呼吸管理とする方針とした。初診時の血中濃度測定に基づいたBayesian法による血中濃度推移の予測が治療方針の決定に有用であった。

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© 2000 日本臨床救急医学会
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