2000 年 3 巻 4 号 p. 433-437
胃出血に対してStiegmannらによつて開発された内視鏡的静脈瘤結紮法(Endoscopic Variceal Ligation,以下EVL)を内視鏡的結紮止血法として応用した。症例は85歳男性,吐下血を主訴に入院。上部消化管内視鏡検査にて胃Dieulafoy潰瘍による吐下血と診断し,EVLの手技にて吸引結紮し,内視鏡的止血術を施行した。その後,潰瘍が著明に拡大することや,再出血を来すことなく退院することができた。本止血法は,Dieulafoy潰瘍のような小さく線維化の少ない胃出血巣に対し簡便で確実な止血効果があり,局注法に比べて二次性の潰瘍の拡大傾向が低いと考えた。本法は救急の場で,人的・時間的に余裕のない場合でも施行しやすく,胃出血に対して,内視鏡的止血術のひとつとして考慮に値し,有用であると考えられた。