2001 年 4 巻 3 号 p. 332-338
救急医療および広域災害時救急における現場の機能連携を支援する情報システムの事例として「広域災害・救急医療情報システム」の概要と動向について紹介する。本システムは,既存の救急医療情報システムをベースとして,平成7年の阪神淡路大震災を契機に災害対応機能を付加したものである。災害時の情報交換機能や,災害一斉通報機能,メーリングリスト機能などがあり,災害時にはさまざまな情報連携を可能とする。また,各地域では,災害発生時の円滑な運用のために,普段から計画的な訓練が実施されている。平成10年度にはさらに機能強化され,現在までに「有珠山噴火に伴う災害運用」などのさまざまな実運用も重ねてきた。今後の課題としては,災害時における行動計画策定や,組織横断的かつ専門的な体制作りと情報システムの運用ルール見直しなど,ソフト面の強化が最も重要である。