日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
焼結鉱埋没によるcrush syndromeの1例
中田 孝明貞広 智仁北村 伸哉平澤 博之
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キーワード: crush syndrome, 埋没, CHDF
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2002 年 5 巻 5 号 p. 520-525

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抄録

高炉鉱石庫に滑落後,焼結鉱に埋没し,発症したまれな受傷機転によるcrush syndromeの1例を経験した。症例は40歳,男性。清掃作業中にすり鉢状の高炉鉱石庫に滑落し,深さ4m以上にわたる焼結鉱に全身が埋没した。事故発生時,事故現場の状況より窒息は免れず,生存の可能性はきわめて低いと判断されたが,埋没6時間30分後に生存が確認された。救出作業中は二次災害発生の危険が高いため点滴などの医療行為は行えなかったが,約1lの飲水が可能であった。救出作業は難航し埋没17時間後に救出され,救急外来に搬送された。来院時,下肢に長時間の圧迫による疼痛,腫脹を認め,筋逸脱酵素は異常高値を示しcrush syndromeと診断した。このため,ICUで輸液療法および持続的血液濾過透析(以下,CHDF)などの集中治療を施行し,急性腎不全を発症することなく救命した。

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© 2002 日本臨床救急医学会
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