日本臨床救急医学会雑誌
Online ISSN : 2187-9001
Print ISSN : 1345-0581
ISSN-L : 1345-0581
原著
急性期頸髄損傷におけるメチルプレドニゾロン大量療法の有効性について
中永 士師明遠藤 重厚山田 裕彦佐藤 光太朗笠原 慎逸
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 6 巻 3 号 p. 263-268

詳細
抄録

急性期頸髄損傷101例を対象として,受傷2週間後のメチルプレドニゾロン(methylprednisolone sodium succinate:MPSS)大量療法の有効性について検討した。MPSS投与群50例,非投与 群51例で,投与方法はNational Acute Spinal Cord Injury Study(NASCIS)Ⅱに準じた。さらにMPSS投与群を受傷3時間以内に投与した超早期群(37例)と受傷後3~8時間に投与した早期群(13例)に分けた。神経学的評価はMPSS投与群[4(1-4)→5(1-5)](p<0.0001),非投与群[3(1-4)→4(1-5)](p=0.0015)とも有意に改善していたが,MPSS投与群の改善度が非投与群よりも有意に優れていた(p=0.0002)。合併症の発生頻度はMPSS投与群が8%,非投与群が5.9%で両群に有意差はみられなかった。また,超早期群[4(1-4)→5(1-5)](p<0.0001),早期群[4(1-4)→4(1-5)](p=0.0431)とも有意な改善がみられたが,両群の間には有意な改善度の差がみられなかった。MPSS大量療法は二次的脊髄損傷を防止できる可能性が示唆された。投与時期に関しては可能なかぎり早期に投与することを推奨する論文が多いが今回は有意差はなく,さらなる検討が必要と考えられた。

著者関連情報
© 2003 日本臨床救急医学会
次の記事
feedback
Top