論文ID: 090103
【目的】わが国において地域の中で行われているグリーフケアの現状と課題を文献レビューにより整理し,遺族となった高齢者を地域で支えていくために必要な実践とは何か検討する.
【方法】医学中央雑誌,国立情報学研究所学術情報ナビゲーターにハンドサーチを加え,キーワードを,地域,在宅およびグリーフケアとし文献検索した.
【結果】除外条件を設けた2段階スクリーニングにより最終的に31件の文献を抽出した.検討の結果,地域におけるグリーフケアとして,在宅ケアに携わる専門職,宗教者,葬儀社,地域住民等によるものが挙げられた.しかしマンパワーや資金,教育の必要性などの課題があることがわかった.
【結論】高齢となった遺族を支えるためには,継続的なケアに向けたケア資源同士の連携とインフォーマルな資源の活性化,併せてグリーフケアに関わる職種の教育のみならず,地域住民全体に向けた取り組みの推進が必要であることが示唆された.