2022 年 35 巻 1 号 p. 26-28
【背景】Dextranomer/Hyaluronic Acid (Dx/HA) を用いた内視鏡的注入療法 (以下注入療法) は膀胱尿管逆流症 (VUR) に対する外科的治療の一つである. 続発性VURに対するDx/HA注入療法に対する評価は定まったものとは言い難い. 【対象と方法】2013年1月-2016年12月に二分脊椎による続発性VURに対しDx/HA注入療法を7名の患者に実施した. 【結果】術前VURのグレードはⅡが1例, Ⅲが2例, Ⅳが4例であった. 術後3カ月時点での膀胱造影では2例でVURは消失していたが残りの5例はダウングレードに留まった. 【結語】続発性VURに対するDx/HA注入療法は一時的にVUR消失あるいはダウングレードが得られるが, 経時的に再増悪する症例が多く適応の見極めと厳重な経過観察を要する.