2024 年 37 巻 1 号 p. 105-112
【目的】リンパ節転移陽性の腎盂尿管癌は予後不良であり, 腹腔鏡下腎尿管全摘除術におけるリンパ節郭清術の治療成績を検討する.
【対象と方法】2010年1月から2021年12月に当院で腎盂尿管癌に対して腹腔鏡下腎尿管全摘除術を施行した151例を対象とした. pN陽性のリスク因子をロジスティック回帰分析で評価した.
【結果】リンパ節郭清術は125例 (82.8%) に施行され, 郭清リンパ節数中央値は10個 (範囲 : 0-33個) であった. pN陽性のリスク因子に関して, 脈管侵襲陽性 (P=0.034) とpT3以上 (P=0.049) は独立した因子であり, 郭清リンパ節数 (P=0.053) はpN陽性と関連する傾向にあった.
【結論】腎盂尿管癌に対する腹腔鏡下リンパ節郭清術において, リンパ節郭清数が多いことはpN陽性と関連する傾向にあった.