2024 年 37 巻 1 号 p. 113-117
【緒言・方法】持続携帯式腹膜透析 (CAPD) カテーテル留置の術後合併症として, カテーテルの位置異常や腹膜透析関連感染症が問題となる. 腹腔壁アンカー技術 (PWAT) を用いた腹腔鏡下CAPDカテーテル留置術を施行しており, 合併症防止効果について検討した. 【結果】症例は男性25例, 女性32例で年齢の中央値59歳 (35-87歳), CAPD 5年継続率は65.4%であった. 術後合併症は腹膜炎9例 (15.8%), 出口部もしくはトンネル感染8例 (14.0%), カテーテル位置異常1例 (1.8%) であった. 術後感染症に関連する因子はBody mass indexであった. 【結語】PWATを用いた腹腔鏡下CAPDカテーテル留置術はカテーテル位置異常が非常に少ない有用な術式であると考えられた.