2024 年 37 巻 1 号 p. 185-189
症例は79歳男性. 繰り返す肉眼的血尿の精査で177 mLの大きな前立腺肥大症を認めた. 手術治療を検討したが, 右上下肢麻痺による開脚制限のため十分な砕石位がとれないことから施行できず, カテーテルの留置で経過を追っていた. 前立腺肥大症が原因の血尿による膀胱タンポナーデによって尿閉を頻回に発症することから, Rezum®を用いた経尿道的水蒸気治療を施行したところ, カテーテルを用いずに排尿が可能となった. 経尿道的水蒸気治療は高いリスクを有する大きな前立腺患者にも有効な治療法である可能性が示された.