2024 年 37 巻 2 号 p. 373-378
公立豊岡病院における腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術(Laparoscopic radical prostatectomy : LRP) の手術成績について検討した. 2014年7月から2017年12月までの150例を解析対象とした. 術者は6人, 手術時間は中央値202分, 出血量は中央値200 mLであった. 術後観察期間は中央値2,205日, 晩期合併症では鼠径ヘルニアの発症を32例 (21.3%) で認めた. 切除断端陽性率は全症例で45例 (30%) であり, 全体での3年, 5年のPSA非再発率はそれぞれ88.4%, 86.1%であった. 断端陽性率, 術後ヘルニア発症, 尿禁制率に関し過去の報告例と比較し多少不良な傾向であったが, PSA再発率に関しては他の報告と同様の結果であった.