Japanese Journal of Endourology and Robotics
Online ISSN : 2436-875X
特集5 : ロボット新機種の持ち味とプロパティ
ダビンチSPの特徴とその有用性について
竹中 政史白木 良一
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2025 年 38 巻 1 号 p. 117-121

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抄録

 手術支援システムの進歩と普及に伴い, ロボット支援手術の適応範囲は拡大し, 標準的治療として広く普及している. 2023年1月に本邦で導入されたda Vinci Single-Port (SP) サージカルシステム (以下, SPシステム) は, シングルポートシステムを用いた初の手術支援ロボットであり, 最小限の切開で体腔内の深く狭い術野での手術 (Regionalized surgery) の実現がその最大の特徴である. 後腹膜臓器を扱う泌尿器科領域では, Regionalized surgeryが可能になったことで, 多くの術式において経腹膜アプローチが不要となり, 新たなアプローチ方法が選択可能となった. SP-RARP (Single-Port Robot-Assisted Radical Prostatectomy) では後腹膜アプローチが標準術式となり, さらに低侵襲な経膀胱アプローチも選択可能となった. また, SP-RAPN (Single-Port Robot-Assisted Partial Nephrectomy) では下腹部からの後腹膜アプローチが標準術式となり, 体位変換を伴わない仰臥位でのアプローチが可能となった. SPシステムによるRegionalized surgeryにより, アプローチの選択肢は大幅に広がり, 適切な症例選択を行うことで, より低侵襲で整容性の高い治療を提供することが可能となった.

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© 2025 一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
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