2021 年 2021 巻 1 号 p. 129-134
GIGA スクール構想の実現に向けて学習者用コンピュータ等が整備されるなど,児童生徒のコンピュータの活用が進んでいる.一方で,それによる児童生徒の視力の低下や姿勢の悪化など,健康面への影響も懸念されている.本研究では,コンピュータの使用時における視距離に着目し,コンピュータのフロントカメラと AI による骨格検出を用いて視距離を推定することを試みた.大学生を対象とし,フロントカメラで撮影した,視距離が 20cm,30cm,40cm,50cm および 60cm の 5 段階の画像を学習データとして収集し,AI に学習させた.同様に撮影した未知のデータを用いて評価したところ,おおむね適切に視距離を推定できることが示された.この方法を用いることで,コンピュータの使用時における視距離を自動的に推定し,適切な視距離を保てるようにフィードバックを提示することが可能であると考えられる結果であった.