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-インクルーシブ教育学の対話的教育研究動向から-
荒巻 恵子
2021 年 2021 巻 1 号 p.
1-6
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
インクルーシブ教育学の対話的教育研究から探究型学習での対話研究の動向を探る.近年英国では,対話的教育の教師スキーム研究が進んでいる.ここで注目されるのが探究過程での対話である.一方,フィンランドでは,Phenomenon-based Learning と呼ばれる探究型学習がコンピテンシー横断型の学習として注目され,学際的な学習モジュール(Multidisciplinary learning modules)と呼ばれる学習方法が開発されている.本研究ではこれらの研究動向と探究過程での教師の対話主導について検討する.
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久米 晶子, 須藤 絢, 藤野 雄一
2021 年 2021 巻 1 号 p.
7-13
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
アフリカ諸国の子どもたちには,数直線の理解と,日常の事象と数を結びつけるということが困難という課題がある.本研究ではITを用いた子どもたちの数の理解と指導者側の支援を目的とし,その第1ステップとして,数直線課題における調査者の負担軽減と自己学習を支援する iPad ツールを作成した.日本の大学生等を対象に紙での課題とiPad とで理解に差異がないかを検証した結果,思考等に違いはなかった.本ツールでは課題実施後,瞬時にデータ解析が可能であり,調査者の大幅な負担軽減につながる.今後,第2ステップとして,日常の事象と数を結びつけることを支援するため,AR技術を用い,実環境上での数直線理解支援ツールとして発展させ,アフリカ諸国の子どもたちの教育支援を行いたい.
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小柳 和喜雄, 杉本 喜孝
2021 年 2021 巻 1 号 p.
14-19
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,校種を越えて「教科横断的で学習者中心の探究的な学習活動」に取り組んでいる学校が,どのように STEAM 教育のカリキュラムデザインを行い,そこにおいて教員と生徒がどのような役割を果たしたかを探索的に分析し,その知見を抽出し,視覚化するものである.そして中等教育学校の事例研究を通じて学校組織で進めていく際の研究主任チームの役割を明らかにしている.
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-デンマークの事例をもとづいて-
森田 佐知子
2021 年 2021 巻 1 号 p.
20-27
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
新型コロナウイルスの感染拡大で,日本の若者へのキャリア支援は ICT を活用し継続されている.チャットによるキャリア支援は若者からのニーズが高いが,一方でクライアントのアセスメントやカウンセラーの能力開発に課題があることが指摘されている.そこで本研究では,2011 年から国家レベルで ICT を活用した若者へのキャリア支援を実践しているデンマークの eGuidance の事例をもとに,Gerard Egan が提唱したSkilled Helper Model のチャットキャリアカウンセリングへの応用可能性を文献調査から検証し,その結果と日本における実践への示唆を報告する.
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神生 凌我, 小泉 遥香, 堀内 蓮太郎, 若月 陸央, 谷塚 光典, 佐藤 和紀, 森下 孟
2021 年 2021 巻 1 号 p.
28-33
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,オンライン授業を経験してきた教員養成課程の学生の情報活用能力を高めるために,情報活用の実践力尺度において,働きかけの観点を検討することを目的に,質問紙調査及び項目間の相関分析を実施した.本研究の情報活用能力とは,高比良ほか(2001)が作成した情報活用の実践力尺度をもとに,当時の情報通信機器に関わる環境との違いを踏まえて加筆修正したものを指す.調査の結果,①判断力が低い学生には発信源による信憑性の違いを指導する,②処理力が低い学生には多くの情報から共通点を見つけ出す経験をさせる,③発信・伝達力が低い学生には処理力を向上させるとともに発信する内容を事前に整理するよう指導する,④創造力が低い学生には物事を人とは違う観点から考えるように意識させる,といった働きかけが有用であることが示唆された.
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戴 宇熙, 浦田 悠, 村上 正行
2021 年 2021 巻 1 号 p.
34-40
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
2020年,新型コロナウイルス感染症により多くの大学生がキャンパスに登校できない大学生活を余儀なくされた.本研究は,通常のキャンパス生活(対面授業や部活動など)ができない状況を「キャンパスライフレス」と定義している.それに伴う影響を明らかにすることを目的として,「学習面」(オンライン授業など),「生活面」(クラブ,サークル活動など),「対人面」(友人関係など)に着目して,アンケート及びインタビュー調査を行った.さらに,分析結果に基づいて,今後の大学生活のあり方について考察した.
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神田 亮, 長尾 敦史, 後藤田 中, 米谷 雄介, 蘆澤 雄亮, 山澤 浩司, 小舘 亮之, 八重樫 理人
2021 年 2021 巻 1 号 p.
41-46
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
中教審答申「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン」では,高等教育機関に対して「多様な価値観を持つ多様な人材が集まることにより新たな価値が創造される場」としての役割を求めており,多くの高等教育機関がそのような場を形成すべく様々な取り組みを実施している.香川大学は,2018 年度より首都圏大学との対流促進事業(うまげなかがわ感じてみまい!うどん県住みます学生プロジェクト)に取り組んでいる.香川大学と首都圏大学の対流促進事業は,それぞれの大学が持つ多様な価値観を持つ人材を集め,新たな価値の創造することで地方創生の実現を目指した取り組みである.本論では,本事業実施の背景,本事業の概要と2019 年に実施した取り組みについて述べるとともに,社会人基礎力調査や本事業の実践を通じて得られた知見から本事業の効果について述べる.
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深見 俊崇, 森永 遥香
2021 年 2021 巻 1 号 p.
47-53
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
探究的な学習の過程における「課題の設定」の問題解決への示唆を得るため,日本の総合的な学習の時間と海外の”inquiry-based learning”の実践事例を収集し,そのモデル化を図った.海外では,研究的な実践として「結論」を導くことに焦点化されており,児童・生徒が専門書等の資料を読解したり,彼らの役割やシナリオを明確化する「ストーリー」が重視されたりしていた.一方,日本では,児童・生徒が課題を設定する際の自由度の高さや教師の取り得る指導の選択肢の幅広さが認められたが,それは指導の困難さにもつながっていた.
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宮崎 幸弘, 藤村 裕一
2021 年 2021 巻 1 号 p.
54-61
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,必履修情報科目と,職業学科において代替科目として設定されている各専門教科の情報に関する科目について,目標,内容とその取扱いについて分析し,考察した.その結果,目標が本質的に異なり,職業のための ICT 活用に関する等の内容が多く,必履修情報科目の内容の欠落が多くなっているなど,履修を職業学科で扱われている情報に関する科目の履修に代替することでは,同様の成果が期待できないことが明らかとなった.
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森川 大地, 中村 大輝
2021 年 2021 巻 1 号 p.
62-65
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
理科学習において「問い(question)」はその後の学習過程を導く重要な役割を果たすものであり,学習者自らが問いを設定することが期待されている.科学的に探究可能な問いを設定する上では,はじめに目の前の現象から変数を見いだす思考操作が必要となる.しかしながら,これまで変数を見いだす力の評価はほとんど行われず,限られた先行事例においても妥当性の検討が十分に行われてこなかった.そこで本研究では,小学生の「変数を見いだす力」を測定することを目的とした,新たな評価問題を提案する.
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薮内 一葉
2021 年 2021 巻 1 号 p.
66-72
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,プロソーシャルモチベーションの向上を目的とし,SDGs ゲーミフィケーション教材を用いたワークショップの考案と実施を行った.ワークショップは,SDGs アクションに取り組む小中学生を対象に実施し,ワークショップ受講前後にプロソーシャルモチベーションや他者視点に関するアンケート調査を行った.また,ワークショップ受講後にはインタビュー調査を行い,分析の結果とアンケート結果との関連を考察する.
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石川 奈保子, 石田 百合子
2021 年 2021 巻 1 号 p.
73-80
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,大学生対象に,2020 年度後期にオンライン授業を受講しての自身の自己調整学習の状況を尋ねた.その結果,以下の3点が明らかになった.(1)「eラーニングは学習に専念できる」という指向は学習を工夫する方略の使用に,「eラーニングは単調だ」という指向は学習とそのほかの時間のメリハリをつける方略の不使用に影響していた.(2)多くの学生が,授業を受講する時間や課題を終わらせるタイミングをあらかじめ決めていた.(3)オンライン授業になって時間や場所に融通が利く学習環境になったことで,学ぶことに積極的な学生を中心に,学習に取り組みやすかったと感じていた.
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安本 太一, 大久保 直樹, 岡部 直樹, 磯部 征尊
2021 年 2021 巻 1 号 p.
81-88
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
技術・家庭科の技術分野の「計測・制御」と「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツ」のプログラミングの授業を Python で行った.実行環境は,前者はmicro:bit,後者はパソコンである.教育用言語ではなく Python を用いたのは,世間で使われているからである.生徒の発達段階や限られた授業時間を考慮し,内容を精選,テキストプログラミングをパターンとして捉えるとともにキー入力の量を抑えるといった工夫をした.このようにして行った授業内容とその評価について報告する.
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狩野 稜己, 江畑 和歩, 三井 寿哉, 北澤 武
2021 年 2021 巻 1 号 p.
89-94
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,一人一台端末環境の下,小学校算数科の「正多角形と円」の単元で,プログルを用いて正多角形の作図を,児童に段階的に行わせた.児童のプログラミングに対する認識の変化を分析するために,質問紙調査を授業の前後で比較分析した.その結果,児童のプログラミングに対する興味が向上し,一人で課題を解決できる自信を持たせることに一定の効果があったが,プログラムを説明できるという自己効力感が課題となった.そこで,プログラムを説明できることと関連する項目を分析するために相関分析を行った結果,プログラミングで自分の思い通りに図形をかくことができることや正五角形のプログラミングを理解できたことと関連することがわかった.
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夏目 健和, 若月 陸央, 手塚 和佳奈, 三井 一希, 佐藤 和紀
2021 年 2021 巻 1 号 p.
95-100
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
1人1台の情報端末導入後の授業実践の実態を把握し,今後の授業実践に対する示唆や参考となる知見を得ることを目的に,GIGA スクール構想直前に出版された書籍5冊に掲載されている実践事例を対象に教科,学年,活用ツールの3観点で分析を行った.その結果,①算数,国語,理科,社会の主要教科の実践例が多いこと,②学習支援アプリやプレゼンテーションアプリが多くの実践で活用されていること,③小学校高学年の実践事例が多いことが確認できた.
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中山 見知子, 藤村 裕一
2021 年 2021 巻 1 号 p.
101-108
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
高校福祉では,全国高校生介護技術コンテストを開催しており,競争効果により知識・技能の伸長が図られた.しかし,インタビュー調査より活動デザインに複数の課題があることが示唆された.そこで,その課題を解決するため,探求型の活動を中心とし,総合評価を行う校内福祉研究会を実施した.質問紙調査等により,生徒の学びに向かう姿勢が極めて高くなり,その結果,問題発見・解決能力と知識・技能の伸長が同時に図られることが示唆された.
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藤村 裕一
2021 年 2021 巻 1 号 p.
109-114
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
1人1台端末・クラウド環境における教育データ利活用方について,スマートスクール実証事業等の分析,最新の技術動向調査等から研究した.その結果,スタディログ・ライフログ・アシストログの3種の教育データを,学習系システムと校務系システムの両者から中間サーバを介して獲得し,それらを結合・分析して,ダッシュボードに可視化することにより,教育の質的改善に資する教育データの利活用ができる可能性が高いことが示唆された.
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稲垣 忠, 坂本 新太郎, 石井 里枝, 新妻 浩平
2021 年 2021 巻 1 号 p.
115-120
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
東日本大震災で被災した仙台市立荒浜小学校は校舎が震災遺構として公開されている.タブレット上で校舎を探索できる VR 教材,スマートグラスで 360 度映像を体験できる教材,スマートグラスのカメラを現地スタッフが装着したリアルタイム配信の3つの教材を組み合わせた実践を2つの小学校で実施した.教材によって得られる情報や感想は異なるものの,それらの組み合わせにより,震災遺構に関する理解だけでなく,遺構化への思い,現地訪問への意欲など,情報・情意の両面に渡る効果を確認することができた.
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墓本 晃一, 藤村 裕一
2021 年 2021 巻 1 号 p.
121-128
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
高校生に対し,性の多様性に関して集団面接を行ったところ,多様性を包摂する社会の創出に向けた取組に肯定的であり,一見すると寛容に見えるものの,当事者意識や想像力の欠如等から,無言の抑圧や無関心さが潜んでいることが示唆された.さらに,同性愛やトランスジェンダー,なかでも,トランスジェンダー女性へのフォビア(嫌悪)が,性別を問わず強く示されるなど,無意識に内在化しているフォビアの実態が明らかとなった.
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橋本 大我, 板垣 翔大, 柴田 隆史, 佐藤 和紀, 三井 一希, 泰山 裕, 堀田 龍也
2021 年 2021 巻 1 号 p.
129-134
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
GIGA スクール構想の実現に向けて学習者用コンピュータ等が整備されるなど,児童生徒のコンピュータの活用が進んでいる.一方で,それによる児童生徒の視力の低下や姿勢の悪化など,健康面への影響も懸念されている.本研究では,コンピュータの使用時における視距離に着目し,コンピュータのフロントカメラと AI による骨格検出を用いて視距離を推定することを試みた.大学生を対象とし,フロントカメラで撮影した,視距離が 20cm,30cm,40cm,50cm および 60cm の 5 段階の画像を学習データとして収集し,AI に学習させた.同様に撮影した未知のデータを用いて評価したところ,おおむね適切に視距離を推定できることが示された.この方法を用いることで,コンピュータの使用時における視距離を自動的に推定し,適切な視距離を保てるようにフィードバックを提示することが可能であると考えられる結果であった.
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武田 俊之
2021 年 2021 巻 1 号 p.
135-140
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
データ利用による教育効果向上への期待と個人データの収集や分析手法の開発が先行する一方で,利用目的の精査,データ分析の効果,プロファイリングや目的外の利用等の課題について十分な検討がおこなわれているとはいえない.この発表では,教育におけるデータのライフサイクル,種類,教育研究との関連等の問題について論じる.
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松田 あんり, 尾澤 重知
2021 年 2021 巻 1 号 p.
141-145
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,大学生を対象に半構造化インタビューを実施し,統計学に関する授業の理解度に対する自己評価の点数の変化から「説明深度の錯覚」を検証した.授業内容や概念的知識について説明させると,説明した後に自己評価が低下した.また,「了解」と「内省」の二層の理解モデル(田島・茂呂 2003)に基づき,授業で「説明深度の錯覚」が生じる原因を検討した.その結果,「内省」に辿り着けず「了解」としての理解に留まっていることが「説明深度の錯覚」が生じている原因であると考えられた.
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-PISA2018年調査問題例の出題形式と内容を参考に-
堀田 雄大, 佐藤 和紀, 三井 一希, 手塚 和佳奈, 浅井 公太, 久川 慶貴, 堀田 龍也
2021 年 2021 巻 1 号 p.
146-151
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
1人1台の情報端末,1人1アカウントの条件を満たしている小学校の高学年児童を対象に,PISA2018年調査問題例の出題形式と内容を参考に作成したコンピュータ活用型調査を実施した.実施後行った ICT 活用に関するアンケート結果等も踏まえ,PISA2018で指摘されている課題との関連等について分析を行った.結果,コンピュータの操作スキルに関する質問事項において,コンピュータ活用型調査で成績上位群の方が肯定的回答をしていることが示唆された.
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南條 優, 佐藤 和紀, 三井 一希
2021 年 2021 巻 1 号 p.
152-159
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校の授業場面において,1人1台端末が先行的に導入された1学級の6か月分の授業映像を対象に,授業者,学習者の端末活用の時間・頻度・場面の分析を行った.その結果,授業者が活用する時間よりも学習者が活用する時間の方が長い傾向がみられた.また,授業の冒頭10分間では授業者の活用頻度が高く,授業の冒頭10分間を過ぎると学習者の活用頻度が高かった.授業者の活用場面では,学習内容の提示や児童への問いかけなど教材内容を児童が理解するための「学習者への説明」の場面が,他の活用場面と比較して多くみられた.
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村上 唯斗, 高橋 純
2021 年 2021 巻 1 号 p.
160-167
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は,児童の情報活用能力に対する意識を明らかにすることを目的とした.結果,1)「情報と情報技術の適切な活用」領域では,基本的な操作については 80%以上の児童が肯定的な回答をしていたが,プログラミングの作成・改善については 50%以下であったこと,2)「問題解決・探究における情報活用」領域では,ほとんどの項目で 50%以上の児童が肯定的な回答をしていたこと,3)「情報モラル・情報セキュリティ」領域では,75%〜89%の児童が肯定的な回答をしていたことなどが示された.
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阪上 彩子, 谷川 依津江
2021 年 2021 巻 1 号 p.
168-171
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
2007年にFDが義務化以降,FDについて数多く研究されているが,全学的FDの動向について調査されているものが多く,専門分野,たとえば語学教育におけるFDの動向について調査されているものは少ない.本研究は,今までの語学教育における高等教育機関のFDについての研究を概観し,質問紙調査を行うことにより現在の高等教育のFDの現状を把握することを目的とする.FD研究を概観し,現在の状況を把握することによって,FDの課題を発見し,今後のFDの目指すべき形態について論じたい.
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下﨑 高, 萩原 ほのみ, 若月 陸央, 森下 孟, 谷塚 光典, 佐藤 和紀
2021 年 2021 巻 1 号 p.
172-179
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は,入学時よりオンライン授業を受講してきた教員養成学部1年生の情報活用能力を調査することである.高比良ほか(2001)が作成した6因子(収集力,判断力,表現力,処理力,創造力,発信・伝達力)に加筆修正を加えた質問項目を用いて,調査を実施した.調査の結果,性別によって得意な情報活用能力の領域が異なる可能性と,男女ともに先行研究(高比良ほか 2001)よりも情報活用能力が高いことが示唆された.
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牧野 みのり, 尾澤 重知
2021 年 2021 巻 1 号 p.
180-187
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では,リアルタイム型のオンライン授業における毎回の振り返り(ミニッツペーパー)と学習成果(学期末レポート)の関連に着目した.約60 名が受講した授業について,毎回の授業の振り返りを促したミニッツペーパーの記述内容を,知識統合の観点から質的に分析した.また,全体の学習成果の評価のために,対話型レポートを用いてレポート内の「問い」の質を評価した.質的研究の結果,毎回の振り返りにおいて知識統合を果たしている学生は,学期末レポートにおいても高次・低次どちらの問いも多く挙げていた.
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山下 直人, 竹森 崇人, 村川 弘城, 笹川 修, 圓林 真吾, 中村 信次
2021 年 2021 巻 1 号 p.
188-195
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
大学入学学生の修学を継続させることは,教育上,あるいは大学経営上の観点から,学生と大学双方にとって非常に重大な課題である.本研究では,福祉系私立大学の新入生に対するアンケートと,その後の学生の退学状況に対して,統計モデリングを適用し,修学が中断されるメカニズムの考察を試みた.適用したモデルは,修学の中断における,全学部共通の傾向と,学部特有のメカニズムを同時に表現し,アンケート回答から修学が中断される確率を予測するものである.その結果,福祉に関係した学部かどうか,あるいは,卒業時の国家資格受験の有無によって,修学中断につながる要因が大きく異なることが示唆された.
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辻 美也子, 河野 弘美
2021 年 2021 巻 1 号 p.
196-203
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
京都外国語大学・短期大学で自律学習支援の一環として提供しているプログラムは,2020 年度はそのほとんどをオンラインで実施した.その中で唯一,オンライン・対面の両方で実施したアドバイジング(学習相談)に焦点を当て,オンライン・対面の両方を経験している学生に対しアンケート調査およびインタビュー調査を行った.本発表においては,その結果を分析して見えてきた,相談者としての学生視点から考えられる,今後のよりよいアドバイジングの実施の方向性について考察し,報告する.
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松田 稔樹
2021 年 2021 巻 1 号 p.
204-211
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
各国の学校教育には,SDGs等の問題解決に取り組める市民の育成が求められている.しかし,学校段階が上がるほど,「総合的な学習の時間」がうまく機能していない.これを解決するために,筆者は新・逆向き設計の方法を提案した.本稿では,この設計法を複数の教職科目で系統的に指導する方法を検討する.また,その中で問題解決のモデルを指導し,生徒に指導するためにも,教員自身が問題解決力を修得できるよう,学習支援教材も検討する.
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寺内 愛, 山本 朋弘
2021 年 2021 巻 1 号 p.
212-216
発行日: 2021年
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
小学校の国語,社会,算数,理科,生活,図工,体育,音楽の8教科の単元や題材を貫く学習過程を,把握・計画,実行・追究,まとめ・省察の3段階に整理し,1人1台端末がそれぞれのどの学習過程で,どのような学習場面で活用することができるかを整理,分析した.その結果,単元の把握・計画の学習過程では,活用が想定される学習場面は見出せなかったが,実行・追究の学習過程では,おもに個に応じた学習や個別の調査活動,思考を深める個別の学習場面で,まとめ・省察の学習過程では,グループや学級全体での発表・話合いの場面で活用が可能であることが示された.したがって,実行・追究,まとめ・省察の学習過程では,1人1台端末が教科等横断的に活用できる可能性が示唆された.
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-学年部における小学校プログラミング授業実践に着目して-
後藤 壮史
2021 年 2021 巻 1 号 p.
217-221
発行日: 2021/05/22
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では,一般的な公立小学校における ICT を活用した授業研究に際して,授業実践の主体となる学年に所属する教員にはどのような意識変容が起こるのかを検証し,研修成果を検討することを目的とした.結果,授業研究は,すべての教員において「ICT活用の抵抗感」を有意に低下させた.一方,教員は児童間や教員間における知識・技能の格差を強く感じており,実践後においてもその認識がほとんど変化しなかった.これらのことから,プログラミング教育における研修体制として,全体研修や個別研修,学年部における授業研究の特質を把握し,教員らの推進・阻害要因をバランスよく改善していけるよう,系統的・計画的に研修を実施していくことが理想的であると結論づけた.
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八木澤 史子, 大久保 紀一朗, 堀田 龍也
2021 年 2021 巻 1 号 p.
222-227
発行日: 2021/05/22
公開日: 2021/10/24
研究報告書・技術報告書
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情報端末の活用が教師児童共に日常化している学校に勤務する5人の教師に,情報端末を活用した授業を行う際の授業設計に関するインタビューを行った.インタビューの内容を分析した結果,5人の教師の授業設計の手順は,「単元全体の学習内容の確認」→「本時の学習内容の確認」→「本時の学習活動の検討」という3つの手順について共通していた.また,「情報端末の活用の検討」の直前に行われている作業については,教師により内容が異なっていた.
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