2022 年 2022 巻 1 号 p. 9-14
本研究では,自己決定理論から動機づけを捉え,中学校化学の授業において,1人1台の情報端末を活用した協働学習前後の自律性の欲求・有能性の欲求・関係性の欲求の変化を明らかにし,1人1台の情報端末を活用した協働学習が内発的動機づけに効果を及ぼす過程を検討した.結果,自律性の欲求・有能性の欲求が有意に向上し,「PCを活用した学習活動への内発的動機づけ」「化学授業への内発的動機づけ」が高まる傾向がみられた.一方,「化学授業全般への内発的動機づけ」までの波及効果は見られなかったが,自律性の欲求および有能性の欲求を充足させることで,「化学授業全般への内発的動機づけ」が高まる可能性が示唆された.