2008年産の日本産サトイモ117個,2008年産の中国産サトイモ23個を粉砕、均一化したのち、それらの蛍光指紋を励起,蛍光波長範囲200-900 nmにおいて,10 nmおきに計測した.得られたデータはキャリブレーションとバリデーションセットに二分した.前者に正準判別分析を適用し,サトイモの産地を判別するモデルを構築した.得られたモデルをバリデーションセットに適用したところ,誤判別率は9.4%となった.Receiver Operating Characteristic(ROC)曲線の下の面積であるArea Under the Curve(AUC)を蛍光指紋法について求めたところ,微量元素濃度のみおよび微量元素濃度とSr安定同位体比の組み合わせによる既往の産地判別法と同等の値を示した.これらの結果から,蛍光指紋による迅速かつ高精度なサトイモの産地判別の可能性が示された.