2018 年 19 巻 2 号 p. 131-136
我々はアラビノフラノシル-ビテキシン(AFV)がツルムラサキ(Basella alba)葉に多く含有することを初めて見出し,その簡便な調製法と機能性食品素材としての評価を行った.生葉から80%エタノール抽出,ダイヤイオンHP 20カラムへの吸着により,AFV高含有画分(62.4%)を調製できた.ツルムラサキは伝統的に神経の昂りを抑えたり,睡眠を促す食品として利用されているので,シリカゲルカラム精製したAFV(含量94%)を用いてチオペンタール麻酔試験系で評価した結果,マウスへのAFV経口投与により,鎮静・催眠効果を示したことから,ツルムラサキに含まれるAFVはγ-アミノ酪酸(GABA)のような神経を安定させる効果をもち,機能性食品素材として有用性が示唆された.