クロマトグラフィー分離の温度依存性の簡単な推算方法を考案した.エタノール水移動相を用いたポリマー粒子充填クロマトグラフィーによる2種類のポリフェノール分離をモデル系として選択した.15-45℃におけるHETPと線速度の関係は無次元化することにより,一本の曲線で表現することができた.分配係数と拡散係数の温度依存性を考慮した簡単な分離度の式を導いた.この式を用いて,解析したところ,分離度の最大値を与える温度がある場合とない場合があることが明らかとなった.温度を高くすることにより分離度が多少低下しても,分離時間と分離溶媒量が減少することを考慮すると,好ましい条件になることも考えられる.