日本食品工学会誌
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粘弾性体を仮定した食品乾燥収縮変形の理論解析
酒井 昇楊 暉渡辺 学
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2002 年 3 巻 4 号 p. 105-112

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抄録

生物素材を乾燥すると, 水分の減少と同時に収縮が起こり, この収縮が乾燥速度に影響することになる.そのため, 乾燥速度の推定あるいは乾燥機の設計には, 収縮現象を考慮にいれた乾燥モデルが重要となる.本研究では, 含水率の変化に伴う収縮変形を考慮に入れた粘弾性乾燥モデルを提案し, 乾燥過程を定量的に評価できることを示した.まず, 円筒形に成形した, 乾燥途中の馬鈴薯を用いて応力緩和実験を行い, 一般化マクスウェルモデルから弾性率と粘性率を求めた.次に, この粘弾性特性と方向収縮率の水分移動方向依存性を考慮した数学モデルを用いて, 乾燥過程の数値計算を行った.この数値計算結果と前報で示した実測値を比較したところ良好に一致した.

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