抄録
土佐湾沿岸で漁獲される雑魚の無晒肉および晒肉の温度ゲル化曲線を求め, それぞれのゲル化特性を調べた.その結果, 戻りの発現パターンから無晒肉および晒肉ともに戻らない魚種 (I型) , 晒すと戻らなくなる魚種 (II型) , 両者とも60℃付近で戻る魚種 (III型) , 晒すと新たに40℃付近で戻りが発現する魚種 (IV型) の4グループに大別できた.それぞれのグループの魚種について水晒しの必要性や二段加熱法を検討したところ, I型とIV型, とくに後者は40℃付近で新たに戻りを生ずることから, 水晒しの必要はなく, II型とIII型は戻らなくなったり, 相対的に弾力を増強したりするので, 必須であり, 二段加熱はIV型魚晒肉以外では弾力を増強する効果が認められることから有効であることが明らかになった.