日本食品工学会誌
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廃鶏屠体からの抗酸化性ジペプチドの分離・精製技術と抗酸化活性評価法の開発
鍋谷 浩志柳内 延也水野 雅之
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2006 年 7 巻 1 号 p. 15-23

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抄録
非生産的になった産卵鶏, いわゆる廃鶏の有効利用を促進し, その産業廃棄物化を防ぐことを目的として, 廃鶏屠体を原材料とした機能性食品素材の開発に関して検討を行った.鶏肉に含まれるヒスチジンとβ-アラニンからなるアンセリンとカルノシンと呼ばれる抗酸化性ジペプチドに注目し, その抽出・分離・精製技術の開発を行うとともに, その抗酸化機能を評価して機能性食品素材としての意義を検証した.限外濾過膜処理, ナノ濾過膜処理およびイオン交換処理を組み合わせることにより, 各種食品製造のニーズに応じた任意の純度でアンセリン-カルノシンを分離・精製する製造法を確立することができた.また, アンセリン-カルノシンは, 植物由来の抗酸化成分とは異なる抗酸化作用を示すことを明らかにするとともに, アンセリン-カルノシンを植物由来の成分と組み合わせた際の効果を健常人を対象とした臨床試験により示した.
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