日本食品工学会誌
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可視および近赤外線反射スペクトルを用いた茶成分の測定
福本 由希飯渕 貞明斉藤 まゆ美大森 正司澤井 祐典山口 優一
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2006 年 7 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

可視および近赤外線を用いて, 紅茶成分を測定した.紅茶は生葉, 萎凋, 揉捻および発酵・乾燥工程を経て製造される.工程の各段階で試料を採取し, アミノ酸 (Asp, Glu, Theanine, Arg) およびCatechinの茶葉中の含有量を化学的に測定した.同時に試料の近赤外線反射スペクトルを測定し, 茶成分の濃度を推定した.この方法によって茶成分の濃度は短時間 (数秒) で推定できることが示唆されたので, 紅茶製造工程制御に応用できると考えられた.また製造工程においては葉の色は緑色から茶色に変化し, その変化を可視光のスペクトルで測定できた.可視光スペクトルの青色および赤色の波長領域のピークは工程が進むにつれて反射率は上がった.緑色の波長領域では工程が進むにつれて反射率が小さくなった.以上の近赤外光と可視光のスペクトルの変化を測定することにより, 紅茶製造工程を精度よく制御することができると考えられた.

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